時事ネタPhoto: Mikhail Nilov / Pexels
犬猫のマイクロチップ義務化と獣医療 — 改正動物愛護管理法のポイント
2022年6月施行の改正動物愛護管理法で始まった犬猫のマイクロチップ登録制度について、販売業者の義務と既存飼い主の努力義務、装着・登録・変更登録の流れ、環境省データベース、迷子・災害時の所有者特定や所有明示の意義、獣医師・動物看護師の役割を、一次情報源を示しながら整理します。

2022年6月施行の改正動物愛護管理法により、犬猫のマイクロチップに関する制度が大きく変わりました。動物病院は装着・登録・相談の窓口として関わる場面が多く、飼い主への正確な案内が求められます。本稿で制度の枠組みと獣医療現場の役割を整理します。
本記事の位置づけ(必読)
本記事は制度の概要を学習用に整理したものです。義務の対象・手続き・期限・自治体ごとの運用(狂犬病予防法の登録との連携など)は改正・通知で変わり得ます。実務では環境省の公式情報と各自治体の案内を必ず確認してください。
誰に何が義務づけられたか
| 対象 | 内容 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 犬猫の販売業者(ブリーダー・ペットショップ等) | 販売する犬猫へのマイクロチップ装着と情報登録 | 義務 |
| 登録済みの犬猫を譲り受けた飼い主 | 所有者情報の変更登録 | 義務(期限内に手続き) |
| すでに飼っている一般の飼い主(施行前から飼育) | マイクロチップの装着・登録 | 努力義務 |
『販売業者は義務/既存の飼い主は努力義務』が基本構造
新たに流通する犬猫には装着・登録が義務づけられる一方、もともと飼っている個体への装着は努力義務です。譲り受け時の変更登録は飼い主側の手続きが必要になる点を、来院時に案内できるようにしておきます。
装着・登録・変更登録の流れ
- 装着:マイクロチップの装着は獣医療行為であり、獣医師等が行う
- 登録:個体の識別番号と所有者情報を、環境省のデータベースに登録
- 変更登録:譲渡・住所変更などがあれば、所有者が情報を更新(期限に注意)
- 読み取り:迷子・収容時などに専用リーダーで識別番号を読み取り照会
なぜ重要か:迷子・災害・所有明示
マイクロチップは半永久的な個体識別手段で、迷子・逸走時や災害時の飼い主との再会、所有者の明示(遺棄の抑止)に役立ちます。首輪や鑑札と異なり外れて失われることがなく、確実な身元確認の基盤となります。これは動物福祉と、飼い主の責任ある飼養を支える仕組みです。
狂犬病予防法の登録との関係
犬では従来、狂犬病予防法に基づく登録・鑑札の仕組みがあります。マイクロチップ登録と狂犬病予防法の登録を連携させる仕組み(一定の要件のもとでマイクロチップを鑑札とみなす特例など)が自治体ごとに運用されています。対応は自治体差があるため、最新の案内を確認して飼い主に伝えます。
獣医師・動物看護師の役割
- 装着手技と、適切な部位・読み取り確認
- 登録・変更登録の手続きや期限についての正確な案内
- 迷子・収容個体のリーダーでの読み取りと照会
- 既存飼い主への装着の意義(努力義務)の説明と動機づけ
- 個体識別情報・所有者情報の適切な取り扱い(個人情報への配慮)
学習のポイント
ポイントは『販売業者=義務/既存飼い主=努力義務/譲り受け=変更登録が必要』という構造と、装着が獣医療行為であること、狂犬病予防法登録との連携が自治体差を持つことです。最新の公式情報を確認し、飼い主の窓口として正確に案内できる体制を整えましょう。
参考・一次情報源
- 環境省:犬と猫のマイクロチップ情報登録制度の案内・データベース
- 動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)および関係省令
- 各自治体による狂犬病予防法登録との連携・運用の案内
- 日本獣医師会等によるマイクロチップ・所有者明示に関する資料
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