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検査の読み方

Photo: Media Dung / Pexels

検査の読み方2026-06-05・約10分で読めます

生化学検査の読み方 — 肝・腎・蛋白・電解質をパターンで読む【検査の読み方②】

犬猫の血液生化学検査の読み方を、基準値の数値ではなく解釈の原則から解説します。肝酵素(逸脱酵素と胆道系酵素)・腎マーカー(BUN/クレアチニン/SDMA)・蛋白(A/G比)・電解質を、グループとパターンで読むコツを一次情報源とともに整理します。

文:獣医求人ポスト編集部公開 2026-06-05
目次
  1. 肝臓関連 — 『逸脱酵素』と『胆道系酵素』を分ける
  2. 腎臓関連 — 尿比重とセットで読む
  3. 蛋白 — アルブミンとグロブリンを分ける
  4. 電解質 — 水・酸塩基・緊急度
  5. 参考文献・一次情報源
生化学検査の読み方 — 肝・腎・蛋白・電解質をパターンで読む【検査の読み方②】のイメージ
Photo: Dominik Gryzbon / Pexels

血液生化学は、臓器の状態や代謝を映すパネル検査です。読み方のコツはCBCと同じで、項目を『肝・腎・蛋白・電解質』などのグループに分け、パターンとして読み、臨床像と統合することです。

基準値はラボ・動物種・機器で異なります
本記事は解釈の原則を扱い、具体的な基準値は示しません。溶血・脂血・採血条件でも値が動くため、各施設の基準範囲と臨床像で判断してください。
本記事はシリーズ第2回です
「検査の読み方」第1回(CBC)の続きです。次回(第3回)は尿検査を扱います。

肝臓関連 — 『逸脱酵素』と『胆道系酵素』を分ける

肝関連の酵素は、肝細胞の傷害で漏れ出る逸脱酵素(ALT・AST)と、胆汁うっ滞や酵素誘導で上がる胆道系酵素(ALP・GGT)に分けて考えます。特に犬のALPは、骨・ステロイド・内因性ステロイド(クッシング症候群)などでも上がりやすく、特異度が高くありません。重要なのは、酵素は『肝機能』そのものではない点です。肝機能は、胆汁酸・ビリルビン・アルブミン・BUN・グルコース・アンモニアなどで評価します(eClinpath, Liver)。

分類代表意味
逸脱酵素ALT・AST肝細胞の傷害(漏出)
胆道系酵素ALP・GGT胆汁うっ滞・酵素誘導(犬ALPは特異度低)
肝機能の指標胆汁酸・ビリルビン・アルブミン 等実際の肝機能を反映

腎臓関連 — 尿比重とセットで読む

腎マーカーはBUN・クレアチニン・SDMAが中心です。高窒素血症(azotemia)を見たら、腎前性・腎性・腎後性を区別します。鍵になるのが尿比重で、濃縮されていれば腎前性、等張尿なら腎性を示唆します。SDMAはクレアチニンより早期に上昇しうる指標です。慢性腎臓病の病期評価はIRISステージ分類に基づきます。

蛋白 — アルブミンとグロブリンを分ける

総蛋白はアルブミンとグロブリンの和で、A/G比とあわせて読みます。低アルブミンは産生低下(肝不全・栄養)か喪失(蛋白漏出性腎症・腸症、出血、滲出)かを考えます。高グロブリンは炎症・感染・免疫・腫瘍(単クローン性かポリクローナルか)の手がかりになります(eClinpath, Proteins)。

電解質 — 水・酸塩基・緊急度

ナトリウムは水バランスと、カリウムは腎機能・酸塩基・尿路閉塞と密接です(高カリウムは不整脈を招く緊急所見になり得ます)。カルシウムは補正値やイオン化カルシウムで評価し、腫瘍随伴性高カルシウム血症などを考えます。リンは腎機能やCKDの管理と関わります。

プレアナリティカルで値が動く
溶血はカリウムやASTなどを、脂血や採血手技も多くの項目を乱します。異常値はまず検体の質と再現性を疑い、臨床像と合わない時は再検します。
生化学の読み方の流れ
肝・腎・蛋白・電解質などグループで確認
酵素か機能か、腎前性/腎性/腎後性 などパターン認識
尿比重・CBC・臨床像と統合
検体の質を確認し、必要なら再検・追加検査

次回(第3回)は尿検査の読み方(比重・試験紙・沈渣)を取り上げます。内科・検査に強い施設での経験は学習を加速させます。獣医求人ポストの検索からそうした施設を探せます。

参考文献・一次情報源

  1. eClinpath — Chemistry(血液生化学の総合リソース)(Cornell University College of Veterinary Medicine)
  2. eClinpath — Liver(肝関連の検査)(eClinpath)
  3. eClinpath — Kidney(腎マーカー)(eClinpath)
  4. eClinpath — Proteins / Electrolytes(蛋白・電解質)(eClinpath)

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