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検査の読み方

Photo: www.kaboompics.com / Pexels

検査の読み方2026-06-05・約9分で読めます

血液ガス・酸塩基平衡の読み方 — pH・PaCO2・HCO3とアニオンギャップ【検査の読み方⑤・最終回】

犬猫の血液ガス・酸塩基平衡の読み方を、系統的な手順で解説します。pH(アシデミア/アルカレミア)→一次性障害(呼吸性/代謝性)→代償→アニオンギャップという読み方の流れと、動脈/静脈の違いを、一次情報源とともに整理します。

文:獣医求人ポスト編集部公開 2026-06-05
目次
  1. 4つの一次性障害
  2. 系統的な読み方の手順
  3. アニオンギャップ — 代謝性アシドーシスの鑑別
  4. 酸素化の評価(動脈血)
  5. シリーズのまとめ
  6. 参考文献・一次情報源
血液ガス・酸塩基平衡の読み方 — pH・PaCO2・HCO3とアニオンギャップ【検査の読み方⑤・最終回】のイメージ
Photo: cottonbro studio / Pexels

血液ガスと酸塩基平衡は、一見とっつきにくいですが、決まった順序で系統的に読めば整理できます。本稿では『pH → 一次性障害 → 代償 → アニオンギャップ』という流れで読み解く手順を示します。シリーズ最終回です。

動脈と静脈、採取条件で意味が変わります
動脈血は酸素化と換気の評価に、静脈血は主に代謝・酸塩基の評価に使います。気泡の混入や採取からの時間でも値が動くため、採取条件を踏まえて解釈してください。基準値はラボ・機器で異なります。
本記事はシリーズ第5回(最終回)です
「検査の読み方」CBC・生化学・尿・凝固に続く最終回です。最後に全体をまとめます。

4つの一次性障害

酸塩基の一次性障害は、代謝性(重炭酸HCO3で評価)と呼吸性(二酸化炭素分圧PaCO2で評価)の各々にアシドーシス・アルカローシスがあり、計4つに整理できます(eClinpath, Acid-base)。

一次性障害主な変化代表的な原因
代謝性アシドーシスHCO3 低下乳酸・ケトン・尿毒症・中毒・重炭酸喪失
代謝性アルカローシスHCO3 上昇嘔吐(胃酸喪失)・利尿薬 等
呼吸性アシドーシスPaCO2 上昇低換気(呼吸抑制・気道閉塞)
呼吸性アルカローシスPaCO2 低下過換気(疼痛・不安・低酸素)

系統的な読み方の手順

  1. pH を見る:アシデミア(酸性)かアルカレミア(アルカリ性)か
  2. PaCO2 と HCO3 を見て、一次性が呼吸性か代謝性かを決める
  3. 代償の方向と程度を評価する(過不足なら混合障害を疑う)
  4. 代謝性アシドーシスならアニオンギャップを計算する
  5. 電解質・臨床像と統合する

アニオンギャップ — 代謝性アシドーシスの鑑別

代謝性アシドーシスでは、アニオンギャップ(AG)が鑑別の助けになります。高AGアシドーシスは、酸が増えるタイプ(乳酸・ケトン・尿毒症・エチレングリコール等の中毒)で起こります。正常AGアシドーシスは、重炭酸の喪失(下痢・尿細管性アシドーシス)で起こります。

酸素化の評価(動脈血)

動脈血では、酸素分圧(PaO2)で酸素化を評価します。換気(PaCO2)と酸素化(PaO2)は別の問題として切り分けて考えるのが原則です。

『予想される代償』で混合障害を見抜く
一次性障害に対して体が示すはずの代償の方向・程度を当てはめ、それとズレていれば、複数の障害が併存する『混合性酸塩基障害』を疑います。

シリーズのまとめ

「検査の読み方」シリーズでは、CBC・生化学・尿・凝固・血液ガスを取り上げました。共通する原則は、(1) 項目をグループ/系に分けてパターンで読む、(2) 基準値の暗記より『なぜその値になるか』を理解する、(3) 検体の質を確認し、最後は臨床像と統合する、という3点です。基準範囲はラボ・動物種・機器で異なるため、各施設の基準と症例の文脈に基づいて判断してください。

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参考文献・一次情報源

  1. eClinpath — Acid-base(酸塩基平衡の総合リソース)(Cornell University College of Veterinary Medicine)
  2. eClinpath — Chemistry / Electrolytes(電解質との統合)(eClinpath)
  3. ASVCP Quality Assurance and Laboratory Standards Guidelines(検査の品質保証)(American Society for Veterinary Clinical Pathology)

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