検査の読み方Photo: Jess Loiterton / Pexels
尿検査の読み方 — 比重・試験紙・沈渣を組み合わせて読む【検査の読み方③】
犬猫の尿検査の読み方を、解釈の原則から解説します。採尿法と新鮮さの前提、尿比重(USG)による濃縮能の評価、試験紙(ディップスティック)の見方と限界、尿沈渣(細胞・円柱・結晶・細菌)の読み方を、一次情報源とともに整理します。

尿検査は、腎臓・尿路だけでなく全身の代謝をのぞく窓です。読み方の基本は、尿比重・試験紙・尿沈渣の『3点セット』を、採尿法と新鮮さという前提のうえで組み合わせて解釈することです。
尿比重(USG) — まず濃縮能を見る
尿比重は腎臓の濃縮能の指標で、他の所見を読む前提になります。高窒素血症があるとき、尿が適切に濃縮されていれば腎前性、等張尿(濃縮も希釈もしていない)であれば腎性の障害を示唆します。輸液・利尿薬・内分泌疾患でも変動するため、採取のタイミングと治療歴を踏まえて読みます(eClinpath, Urinalysis)。
試験紙(ディップスティック) — 限界を知って使う
試験紙は蛋白・血液(ヘモグロビン)・グルコース・ケトン・pH・ビリルビンなどを半定量します。尿糖は血糖が腎の再吸収閾値を超えたか、尿細管の問題で出ます。蛋白は尿蛋白/クレアチニン比(UPC)で定量確認します。試験紙には限界があり、項目によっては動物種で信頼性が低い(例:白血球エステラーゼや比重欄は当てにしない)点に注意します。
尿沈渣 — 細胞・円柱・結晶・細菌
沈渣では、赤血球・白血球(膿尿は炎症/感染を示唆)・上皮・円柱(腎由来)・結晶・細菌を評価します。結晶は種類と病態の解釈が重要です(ストルバイト、シュウ酸カルシウムなど)。細菌や膿尿があれば、尿培養での確認が基本になります。
| 沈渣所見 | 示唆 |
|---|---|
| 白血球(膿尿) | 炎症・感染(培養で確認) |
| 円柱 | 腎(尿細管)由来の病変 |
| 結晶 | 種類で病態を推定(過飽和・pH・採取後の析出に注意) |
| 細菌 | 感染(採尿法と培養で評価) |
次回(第4回)は凝固検査の読み方を取り上げます。腎泌尿器・内科に強い施設での経験は学習を加速させます。獣医求人ポストの検索からそうした施設を探せます。
参考文献・一次情報源
- eClinpath — Urinalysis(尿検査の総合リソース)(Cornell University College of Veterinary Medicine)
- eClinpath — Chemistry(腎マーカーとの統合)(eClinpath)
- ASVCP Quality Assurance and Laboratory Standards Guidelines(検査の品質保証)(American Society for Veterinary Clinical Pathology)
全国の動物病院求人を比較・検索できます
求人を探す